さらなるステージアップを!

大島唐辛子醤油

大島町商工会では特産品の開発や地域ブランドの創出に取り組まれている事業者様をご支援いたします。どうぞお気軽にご相談ください。

商品やサービスをもっとPRしたい!

商工会では、全国ネットワークを活かし、ブランド化に向けた最適な販路開拓、情報発信、パッケージデザイン等、PRに関するアドバイスやご支援を実施します。

以下にひとつの事例として、大島の唐辛子農家と東京都あきる野市の醤油醸造メーカーとのコラボ商品の開発についてご紹介いたします。

支援事例のご紹介

平成27年度において、株式会社 生産者直売のれん会(以下、のれん会)と東京都商工会連合会とともに多摩・島嶼地域資源PRに伴うマッチング支援事業を実施しました。

のれん会と東京都商工会連合会の担当者とともに伊豆大島での現地視察を実施し、島内の生産者や製造業者の視察、島内での観光客の動線(動きの経路)や購買動向を掴むとともに、事業者の製造ポテンシャルや島外での販売状況などを確認・整理しました。

そして、現地視察を通じて感じた課題に対して、取り組むべき内容を定めた結果、のれん会より出された提案は「新市場に対して、そのマーケットを狙った新商品を開発する」でした。

市場に目を向けると既存商品をそのまま流通させるのは難しく、また販路を見据えた商品開発をせず、商品化後に販路に困る商品が後を絶ちません。今回は企画の段階から「何を何処で売るのか?」を明確に設定した結果、多摩地域の事業者と連携した共同企画となりました。

「あきる野市×大島」コラボレーション商品企画

東京都あきる野市と大島町は姉妹都市としての繫がりがあり、共同企画実施の大義名分がある。販売での交流イベントもあるため、マーケティングやプロモーションが仕掛けやすく、互いのビジネスメリットにもつながります。

多摩地域事業者(近藤醸造株式会社)との取り組み

島嶼地域は自然にあふれている印象から、島外において素材のブランドイメージが良く、一次産品に強みを持っています。一方、付加価値の高い商品を開発したいと考える食品事業者は多いですが、「何で付加価値をつけるべきか」定まらない事業者が多くいらっしゃいます。

互いの強みを生かし弱みを捕らえる取り組みとして、「大島素材」を付加価値として事業者が商品開発を行い、特定の地域や都内での販売を見据えた商品開発を行うことを企画しました。

多摩地域事業者が製造できる商品、また一般的な市場ニーズを考慮し、どのような素材で何を作るのか、候補を検討しながら絞り込んでいきました。

その後、多摩地域事業者(近藤醸造株式会社)とのれん会の方々が来島し、島内視察を実施しました。
島内視察を通じて視察の前に考えていた牛乳やバターを使った商品開発は、製造量や原価等のハードルがあり、素材を再検討し、開発商品を再度検討しました。そういった中で、島内視察において訪れた農家の唐辛子に注目しました。醤油と相性がよく、昨今の市場ニーズも高い、辛みを活かした調味料に挑戦することになりました。今年度をテストトライアル販売と位置づけ、複数の味から評価の高いものを探るべく、販売に向けた準備を進めました。

商品の付加価値を伝える販促物

商品の付加価値を伝える販促物

今回の企画趣旨、大島の素材の紹介、新規開発商品の紹介、生産者のコメントを載せた両面のリーフレットを作成し、販促のツールとして活用しました。商品にこめられたストーリーや想いを伝えることで、「情報の量」=「付加価値」を消費者の方にしっかりと伝え、価値で勝負できる企画へと仕上げてまいりました。

テストトライアル販売

ふるさと祭り東京での販売風景

テストトライアル販売として、近藤醸造株式会社 工場直売会、あきる野市産業祭、ふるさと祭り東京の三会場で実践販売を実施。商品は「激辛」「中辛」「ぴり辛」の三種類を販売しましたが、当初予想していた中辛ではなく激辛が売れる傾向が強く、価格も通常の醤油よりは高めの設定でしたが、三会場合わせて1本100mlが、3種類各300本弱(合計1,500本弱)完売し、本格リリースに向けた味、価格の設定に目処をつけることができました。

取り組みの振り返り

本事業の目的は、島内事業者にとっては「付加価値ある素材の使い方」を模索するものであり、多摩地域事業者にとっては「自社の製造商品で、付加価値の高い商品を作ること」でした。

テストトライアル販売を通じて最終製品の一定の販売実績を上げることにより、継続的な原料の仕入れと定番商品化が実現し、中間支援を必要としない事業者同士のビジネスマッチングとなりました。

ステップ1:大島が「食材の島」である認知の向上

島素材をブランド化していくためには、島外に「食材が豊富な島」であることをPRしていく必要があります。その際、季節でしか提供できない一次産品ではなく、素材の持ち味を活かした加工品を開発することで、年間を通じて素材のPRを行うことができ、味わっていただける消費者のすそ野も広げることが可能となります。

ステップ2:大島の食材を使うこと=消費者にとっての価値

島素材を使っているという事実が商品のPRポイントになり、消費者からの反応もよいという状況が出来上がって、初めて事業者に「島素材を使いたい」というニーズが生まれる。そのためにも、先進的な事例を構築すべく商品を開発し、実際の販売実績を作る販促活動が必要となります。

ステップ3:様々な素材の島外販売

ステップ1、ステップ2と進んでくることで、「島素材の付加価値」が高い状態を作り出すことができます。島素材を使った商品に消費者が満足し、消費者の満足度を高めたい事業者が島素材を使うというプラスの循環を作り出せることで、必然的に素材の販売量は増えていきます。